ウィーク・トライブ
森に潜む幾つもの影
レイド「眠い・・・眠い・・・・」
ルバス「お前ウザイウザイウザイの三拍子揃ってるな」
レイド「それは三拍子って言うのかどうか・・・・・・・・」
現在はスザクの家からおそらく西・・・・の方へ歩いている。
レイドとルバスはいつもの様に体を隠す布で覆っている。貰ったようだ。
先程歩いた森の中を又歩いていた。あの村は森で覆われているので何処から歩いても森を通るらしい。
レイド「グノーシスとか言う奴以外にもあの急に襲ってきた誰かとかに襲われたりしねぇ?」
スザク「まぁ・・・・・そん時ゃそん時」
笑いながらへらへらと言う。
レイド「えええ・・・・・・・帰りたいって・・・・」
スザク「一人で帰ったら敵の的だ。もうすぐ着くはずだし・・・それでも帰るのか?」
チラリとレイドの顔を覗く。
レイド「う・・・・・・・・・・」
ルバスが不意に口を開いた。
ルバス「聞いてなかったが・・・・何処に行くんだ?」
スザク「おう・・・ギルがこっちに向かったらしく――」
シュ!
ドゴォ!
「!?」
急に辺りを響かせる音。レイドに攻撃しようとしたが、わりと反射神経の高いレイドは避けられたらしい。
レイド「今度は誰だ!グノーシスか!?」
「何を訳のわからない事を・・・・・・・・・」
先程襲ってきた人物ではないらしい。
スザク「・・・・・・・・ほら!これ持て!」
ガシャン
二人の手に武器を手渡す。
短剣が二つ。
スザク「万が一のために持ってきた。これでも使え」
槍を構えるスザク。二人もそれに続いた。
しかし、二人が気づいた時には・・・・・・
ルバス「な・・・・・・・・」
左右前後。いつの間にか囲まれている。
スザク「・・・・またこの立場か・・・・・・・」
レイド「どうすんだ!?」
焦るレイド。それを煽てる様にスザクは言う。
スザク「この場合・・・・逃げる方が無難だな・・・・・・まず一番敵の数が少ない場所に突っ込む。そして、そこから一気に抜け出す、だな」
周りをチラチラと見る。そして一番薄い場所を見つけた。
スザク「よし!あそこに短剣を投げろ!」
『ええ!?』
急に本来使い道の違う、短剣を投げる。と言う動作を言われた。
しかしとりあえずスザクに従い、そこに投げた。
急な出来事に驚いて敵は避ける。
それを拍子に一気に突撃してきた。
スザク「ボサッとするな!あそこから逃げろ!」
一部分のみ隙間が出来た。スザクは長い槍を突き出す。
更に間が空いた。そこにレイドとルバスも突っ込んだ。
そして敵の囲いから抜けた。
スザク「このまま走れ!」
「・・・・・おい何やってんだ!!」
敵が追いかける中、後ろから声がする
「あ〜・・・すまない。私の名前はセィ」
振り向くと一人のギル。
三人を襲ったギルを後ろに行くように命ずると、ぞろぞろと後ろに回った。
レイドは「お前は誰だ」とすぐに言おうとしたが、その前にセィが先に言う。
セィ「君等は「ケルマ」の住民だろう?」
スザク「・・・・・・そうだが」
スザクは頷いた。
セィ「ってことは作物荒らしたことについて・・・・だな」
少し沈黙が起きる。しかしレイドはそれを一気に取っ払った。
レイド「オラ!テメェ等のせいで食べ物とかに困ってんじゃねぇか!どうしでぇっ!?」
ルバスが横顔に拳を打ち込んだ。視線はセィに向けたまま、レイドを無視して話を続ける。
ルバス「訳を話してほしいんだけど・・・・・・」
残りのギルに「戻ってくれ」と合図する。
セィ「唐突に言うと・・・食い物に困っててな・・・・・・・・。このままじゃぁ餓死しちまう」
スザク「だから・・・か。だけどよ、お前等がこのまま盗み続けたら、こっちが困る。どうにかしてやめられねぇ?」
レイド「ってか第一に何で何も食えねぇんだよ!」
スザクの答えは少し悩む様子だったが、レイドに対しては即答だった。
セィ「グラヴィズ・・・・・あの野郎が原因なんだよ・・・・・」
そしてレイド達から見て左側を指差す。
セィ「・・・『サギノド』あそこで一番のお偉いさんが「グラヴィズ」とか言う奴だ・・・・・・・」
スザク「サギノドだって!?そんな悪い評判は着聞いてないが・・・・
ってか、俺達は前もここに来たぞ!?」
スザクの村の結構近くにある。行くのもおかしくはないだろう。
スザクは動揺した様子で、俺の村で取った作物をここに売るやら、色々話した。
セィ「普通に見たらそうだろうな・・・・・・・・・しかし妙なんだ。
今住んでいる場所がどうも不自由でな。皆で移動をしているんだ。・・・・で、ここを通りかかった。
しかし、ここの軍のやつ等に見つかったとたん、ほとんど捕まってしまった」
レイドが口を挟む。
レイド「捕まる!?何で!?」
セィ「・・・こっちも分からない。集団強盗だとか、暗殺集団だとか色々言われて、ほとんど捕まっちまったんだよ・・・・・・・・・」
スザク「・・・・・・・・・・・・・・・・」
信じられるか。とばかりに首を振るスザク。
スザク「おいおい・・・・・・そんなことある訳無いだろ・・・・・・?」
セィ「・・・・・・・・・・!!隠れろ!」
急な出来事に驚きながらも、三人を引っ張り茂みの中に入る。
レイド「うおっ!?」
するとセィが葉の間から何かを見る。
セィ「あれは・・・軍の奴等だ・・・・俺達を捕まえようとしている」
スザク「マジか・・・!?ここに来てるなんて聞いてないが・・・」
腰に拳銃を挿し、常に手を触れている。見つかるとどうなるのか・・・・・・・
暫く歩き回ると、何とか去っていってくれた。
一息つくと、また話し始める。
セィ「・・・・・・あいつらに俺達は捕まる一方だ。・・・・・・それに・・・・あのグラヴィズの側にいつもいる男・・・・あの青いマントの不気味な野郎がどうも気になる・・・・・」
レイド「・・・・・・・・!?」
急に何かに反応するような仕草をする。ルバスも同様だった。
スザク「・・・・どした?」
レイド「なーんか・・・・・・なぁ」
お互い顔を見合わせる。
ルバス「・・・ちょっと街を見てくる・・・・・・」
スザク「まぁ・・・・俺も・・・・・・少し行ってみるか」
セィ「俺は・・・・行く事は出来ないな」
ブツブツ言っているレイドを引っ張り、セィを残してサギノドに向かった。
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