ウィーク・トライブ

脱出

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レイド「・・・・・・・・・・・・」
レイドは頭の中を整理しようと必死に努力する。
全く訳が分からない。何が起きた?助けられてるのか?何故人が倒れた?殺されようとしている?
何も・・・分からなかった。・・・・ただ分かる事は一つ。
・・・・・・・・・・・逃げろ。と言う事だ。

スザク「早く来い!!」
レイド「あ・・・・ああ・・」
駆け足でスザクの方へ向かうと、それと同時に、スザクがレイド目掛けて槍を突き出した。
殺られる!?・・と思ったが、生きていた。頬が少し切れているが、レイドは無事だった。
そして、スザクはレイドを見ず、レイドの後ろを見ていた。
レイドの後ろには・・・・・敵だ。敵を刺していた。
一緒にいたルバスも驚いていたが、スザクは殺す気では無かったらしい。
どうやったか、そこまでグサリと刺したはずでは無かったにもかかわらず、敵は遠くへ吹き飛び、他の敵も巻き込まれていた。
非常口のような扉の前に立つ。取っ手の横にパスワード式の鍵がある。
二人はパスワードを記入・・・・・・と思った。が、予想だけでは分からなかった。
スザク「ォラァッ!!!」
ドアを槍で刺すと、爆発音と共にドアは吹き飛ぶ。
二人「壊すのかよっ!!」
突っ込みをしたが、それどころでない。スザクの言う通りに従った。非常口の中に入る。
敵は皆襲いかかろうとなだれ込もうとしていた。その時、スザクは何かを落とす。

ヴォン・・・・・と、水色の光と共に壁が出来た。

「結界!?」
スザク「・・・・・お!ラッキー!」
どうやら「結界」とやらが張られる物を落とし、それが上手く敵が通れないようになったらしい。
スザク「じゃ・・・今のうちに・・・」
暗い道を突っ込んで行った二人を追いかけ、スザクも暗闇に消えていった。

そしてレイド側――
レイド「・・・・あいつ大丈夫なのか・・・・?」
心配そうに言う。
ルバス「大丈夫だろ・・・多分」
そんな話をしている時、後ろから物音が聞こえた。

「待ってくれぇぇぇぇぇ!!!」

レイド「・・・・あいつの声だな」
そう確信し、少しスピードを緩める。するとスザクが追いついてきた。
息を切らし、全速力で走ってきたようだ。もう限界。そんな感じがした。
レイド「この意味では大丈夫じゃなかったな」
ルバス「・・・・まぁな」
スザク「へ・・・?何が?」
それを無視し話題を切り替える。
「・・・お前は誰だ?」
二人の声が重なる。しかしスザクは「今はそれどころじゃない」と言った。
ルバス「分かった・・・・じゃあ、これからどうするんだ?」
これ以上追求しても今は無駄だな。と思ったらしく、また話題を変えた。
スザク「俺の村に行く・・・」
レイド「ええ!?何で?」
外に出てしまえば、捕まってしまう。そんな当たり前の質問をする前にスザクは続けた。
スザク「大丈夫だ。とりあえず行くぞ」
「・・・・・・・・・」
疑問を持ちながらも付いて行く二人。何もしなくても捕まってしまうのだから、行った方が得だろう。

レイド「・・・にしても複雑な道だな」
道は一本道ではなく、複雑に別れている。レイドとルバスだけならあっという間に、道に迷ってしまうだろう。
スザク「ははは・・大丈夫だ。俺はこの道を知り尽くしてる」
この秘密会社の社員なら、この道を知っていてもおかしくないはず。二人は少し安心したらしい。
スザク「ほらもう着くぞ」
そう言った途端に、道を曲がる。ドアがあった。
スザク「そろそろあいつ等も結界ぶち壊してるだろうしな・・外に出ても気を緩めるなよ」
そう言いながらドアを開ける。そこには―――

―――森

スザク「・・・・・あり?」
森。森。森。それ以外の何と言えばいいのか。
辺り一面に大自然が広がっていた。
レイド「でー、ここからどうするんだ?」
間違えた事にレイドは気づいてないらしい。しかし、ルバスはスザクの様子に「まさか・・・・!!」と目を手のひらで覆っていた。「はぁ〜」と溜息をつく。
スザク「何つーか・・・・・わり!」
ごめんちゃい。なポーズを取る。
それにはレイドも気付いたようだ。

予想通りの拳骨の音と悲鳴が鳴り響く。

レイド「これからどうするんだよ!」
レイドが怒鳴りつける。
スザク「まてまてまて!こっから北に行けば俺の村がある!大丈夫だ!」
ルバス「なら先に言え!」
スザク「なら殴るなよ・・・・・」
そう言って拳骨で腫れたたんこぶをさすりながら歩き出した。

――丁度三人の死角にある木の陰で、不気味に剣が光った。
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