STAR QUEST

戦の代価

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この戦争もあっという間だった。
それよりも気になるのは、俺達が本当に勝ったと言えたのかだ。
戦死者は山になるほど居る。
しかもこちらは幹部を誰も倒してはいない。
スティア達は皆を安心させるためか、勝利と言うことで丸く収めたのだ。

あの不死鳥によって多くの人が死んだ。
あの絶望を感じさせる翼。
死をも感じさせるあの不死鳥は、ワドの命まで奪った。

そう、ワドの命まで・・・・。

スティア「・・・・カービィはまだあの調子か?」
リュウ「・・・・・分からない」
スティア「・・・マルチは?」
リュウ「・・・・集中治療室の中だ」
二人は雷の地下都市、中心のでかい建築物の中で話していた。
スティア「(様子を見に行ってくるか・・・)」
スティアはカービィを探しに外へと出た。


〜戦場の荒野〜


カービィはまだ其処に頭を抱えて座り込んでいた。
空はもう暗闇に染まる時間だった。
スティアは走って荒野に向かった。
何故かカービィがまだ其処にいる。そんな気がしたのだ。
そして丸い影が見えたかと思うと、さらにスピードを上げてカービィの所へ走った。
カービィは少しこちらを見ると、また夜空の方へと向き直った。
スティア「・・・・・戦いに犠牲は付き物だ」
涼しくて悲しいような風がスティアとカービィを包んだ。

カービィ「・・・・・お前に何が分かるんだよ・・・」

カービィはかすれたような小さな声で言葉を返した。
スティア「・・・・・・」
カービィは震える自分の手を見ながらまた喋りだした。
カービィ「俺・・・・人を・・・人を殺した・・・!」
確かにただの十二歳の少年が、『人を殺す』など耐えきれるはずがない。
その直後、カービィの後ろから荒野の砂を蹴る音がした。
カービィが振り返ろうとすると、スティアの拳がカービィの頬に直撃し、カービィが数メートル吹っ飛んだ。
カービィ「・・・・何すんだよ・・・!!」
カービィは起きあがってスティアの方に向き直った。

スティア「覚悟ができたんじゃなかったのかよ!!!!!!!」

カービィ「・・・・・」

スティア「戦争は殺すか殺されるかなんだ!!!!!いつまでお前うじうじしてんだ!!!!!覚悟が出来たんじゃなかったのかよ!!!!」

スティアは静寂の夜の荒野の中、カービィに怒鳴った。
スティア「今のお前をワドが見たらどう思う!!!!!!!」
カービィ「・・・・・・・一人にしてくれよ・・・・!」
カービィはまた頭を抱え、かすれた声でスティアに言葉を返した。
スティア「・・・・・・見損なったぜ・・・・」
スティアはそう言い残すと地下都市へと帰った。
カービィ「・・・・戦争は殺すか殺されるか・・・・目が覚めた。俺は甘かったんだな・・・」
カービィは夜空の星を見ながらつぶやいた。
カービィ「人は何故・・・争いをするんだろう・・・・こんなにも多くの犠牲者を出す物を・・・自分の利益のためだけに・・・」
冷たい風がカービィを再び包んだ。
カービィ「正義の為なら・・・・人を殺せるなんて間違いだ。人によって信じる正義は皆違うんだ・・・・」
カービィは立ち上がり、雷の地下都市へと戻った。

翌日。
カービィ達は鋼の地に行く事になった。
もちろん鋼の水晶目当てもあるが、もう一つ目的があった。
情報収集だ。デストロイの事など、色々調べるのだ。
雷の地代表として、スティアとリュウがカービィ達の仲間に加わった。
いや、カービィ達ではなくカービィと言った方が無難だろうか。
マルチは怪我が治るのにしばらくかかるので、後で合流することになった。

カービィ「・・・・此処から行けるのか?」
スティア「ああ。ひとっ飛びだ」
雷の地は鋼の地と同盟を結んでいるので、鋼の科学力で鋼の地へとひとっ飛び出来るらしい。
それらしい青い光を放つ装置が、カービィの目の前にあった。
スティア「良し!!俺が一番乗りだぁぁぁあ!!!」
スティアはそう言うと青い光の中に突っ込んでいった。
リュウ「ああ!!ずるいぞ!!」
リュウが続いて光の中に入った。
カービィは光の中に入ろうと思ったが、止まって後ろに向き返った。
そしてカービィは勢いよくジャンプして光の中に突っ込んでいった。
彼があの時何を思ったのか分からない。
分かることは一つ。
彼は、この戦いでまた一つ成長したのだ。
カービィ「(もう誰も死なせない・・・・・死なせるもんか・・・!!!)」
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