GALAXY QUEST
その手の先に
カービィ「・・・さて、俺からも質問をしよう」
何か凄い事を聞かれるのではないか、とレイは思った。
カービィ「・・・じゃあ、とにかく一回これに触れてみろ」
そう言うと、カービィは水晶の密集地の奥を示した。
ゼルス「・・・・何だこれは?石碑?」
カービィ「・・・まぁそうだな」
レイはカービィの示した場所に向かって歩み出した。
奥には先程ゼルスの言った通り、石碑のような物があった。
レイ「・・・・これに触れればいいのか?」
カービィ「・・・・・ぁぁ」
レイは石碑をじっと見つめた。
これに自分が触れたら何が起こるのか。という緊張感がレイの中で湧きあがってきた。
その後円陣が描かれている中にゆっくりと手の平を収め、静かに待つ。
カービィ「・・・・・」
――何も起こらない。
カービィ「・・・・何も起こらない・・・まだ・・・時じゃないのか?」
その囁きを聞くと、レイは手を離した。
レイ「・・・で、何なんだ?」
レイは何かを考えているカービィに向かって言い張った。
カービィ「・・・仕方がない。じゃあ本題に入ろうか」
さっきの行動は一体何だったのだろうか。
緊張感が一気に途切れた。
カービィ「・・・・お前は此処に至るまで何をしてきた?」
・・・よく分からない質問だった。
レイは自分の頭の中の記憶を探り、言葉を見つけた。
レイ「軍の機密を知って・・・軍から飛び出してきて・・・堕天使の存在を知って・・・で、その堕天使を渡さないように倒すって所だな」
レイがそう言い終えると、カービィが早速口を開いた。
カービィ「で、大天使を倒してその後どうする?」
予想外の質問だった。
少し先の事は考えてはいたが、更に先など考えた事もなかった。
そうだ。
軍の機密を知り、飛び出して、堕天使の存在を知って・・・。
今まで自分は適当に行動して来ただけなのかもしれない。
すると、カービィが再び口を開いた。
カービィ「・・・お前はその手の先に何を見る?」
レイは続けて質問をされ、行き詰まってしまった。
追い打ちするようにカービィがまた口を開く。
カービィ「・・・・いいか、良く聞け。お前は『絶大なる銀河の鍵』だ」
レイ「・・・・・・は?」
一瞬意味が分からなかった。
いや、一瞬ではなく少し考えても全く意味が分からない。
レイ「・・・・鍵って何だよ・・・・」
レイは下を向き、囁いた。
俺が絶大なる銀河の鍵?
笑わせんなよ。
俺は普通に人間の子として生まれ、普通に人間として育ってきたんだ。
何が絶大なる銀河の鍵だって?
レイ「・・・・何でそれが俺なんだよ・・・・!」
再び下を向きながら囁き、両手に握り拳を作る。
俺は特別扱いもされたくないし、ヒーローごっこだってするつもりは無い。
俺はただ、あいつを止めたかっただけだ。
鍵ってなんだよ・・・・
何でそれが俺なんだよ・・・
レイ「・・・・鍵って何だよ!!!何でそれが俺なんだよ!!!!」
レイはもの凄い勢いでカービィの両肩をがっちりと掴んだ。
レイの叫び声がこの部屋全体に響き渡った。
すると、カービィがもの凄い目でレイを睨みつける。
そして、勢いを付け口を開く。
カービィ『甘ったれるんじゃねぇ!!!!お前がどう思おうと、お前がどう意思を持とうと、それがお前の使命なんだよ!!!逃げるな!!!自分の使命を認め、そして背負え!!!!』
レイはその言葉にひるみ、がっちりと掴んでいた手が少し緩んだ。
すると、カービィが片腕を後ろに思いっきり引いていたのが分かった。
カービィの拳がレイの左頬にまともに入り、殴り飛ばされた。
数メートル吹っ飛び、柱に当たって其処に倒れ込む。
ゼルス「・・・・お前何すんだよ・・・!!!!」
ゼルスが怒鳴りながら、早歩きでカービィに歩み寄る。
カービィ「・・・・これはお前がのこのこと入ってくる問題じゃねぇ!!黙ってろ!!!」
ゼルスもその言葉にひるみ、歩みを途中で止めた。
意識が薄れていく中、レイは思った。
レイ「(鍵・・・・か。俺は使命を認め、背負わなければいけないのか・・・)」
視界がかすれて行く。
ゼルスが此方に歩み寄ってきている。
何かを言っているようだが、聞こえない。
何だか疲れた。眠くなってきたな。
レイはゆっくりと目を閉じた。
此処は何処だろうか。
どの位経ったのだろうか。
そんな事を思いながら、レイは目を開けた。
上半身をゆっくり起こし、辺りを見回す。
ベッドが何台かある。恐らく寝室だろう。
レイは、眠る前の出来事を慎重に頭の中から探った。
すると、奥のドアが開いた。
カービィだ。
レイはカービィから目線をそらし、下を向いた。
すると、カービィが自分に向かって何かを投げた。
レイはそれに気づくと、それを両手でキャッチした。
レイ「・・・・・?」
黒く光る水晶だった。
カービィ「・・・・それは闇の水晶だ。持っておくといい」
カービィはそう言い、自分の居るベットの横まで歩み寄ってきた。
レイ「なぁ・・・絶大なる銀河の鍵っていったい何なんだ?」
レイが聞いた。
カービィは少し間を置いてから、口を開く。
カービィ「・・・・それは力だ」
レイ「・・・・力?」
沈黙が続く。
カービィ「・・・鍵で力を解き放ち、その力を得る。だからさっき軍はお前を狙ったんだ」
レイは下を向いた。
更なる沈黙。
カービィ「・・・・とにかく、だ。俺はお前を守りきってみせる。そして力を解放したとき、お前はその力で道を開くんだ」
レイは静かに頷いた。
そしてゆっくりと口を開く。
レイ「・・・・なぁ、カービィ」
カービィ「・・・・・ん?」
レイ「・・・・俺、分かった。この手の先に何が見えたか」
カービィ「・・・・・そうか。何が見えた?」
レイ「・・・俺は奴を・・・大総統を止める。そしてソロを助けるんだ」
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