GALAXY QUEST
街の秘密
晴れ渡る青空の中、鼻提灯を出し眠っているソロを担ぎながらレイは飛んでいた。
なるべく陸を見失わないように、そして近付きすぎないようにレイは飛んでいた。
レイ「それにしても・・・・汚ぇなぁ・・・・」
レイは後ろを振り向き、ソロの出す鼻提灯を見ながら言った。
そして視線を下に移すと、大きな街が見えた。
レイ「彼処か・・・・」
レイはそのまま降下し、街の入り口へと向かった。
〜入り口付近〜
レイ「よいしょ・・・・っと」
レイは入り口付近の草原の上に降り立った。
そしてソロを再び担ぎ上げ、辺りを見回した。
横側には川があり、街の中にも通っている。
すると、遠くの方から物音がした。
レイ「・・・・・何の音だ・・・物音・・・いや、足音・・・!?」
レイはソロを担ぎながら街の外に植えられていた木の陰に隠れ、様子を窺った。
足音が近付いてくる。一人じゃない。大勢だ。
レイは木陰からゆっくりと顔を出し、足音の主を探った。
レイ「(此奴等は・・・・!)」
ディアスの兵だ。多分西部から来たのだろう。
大勢の足音が街に入っていき、そして止んだ。
レイはそれを確認すると、ソロの方に向き直った。
ソロを片手でつまみ上げ、そして頬を思いっきり殴った。
頬が赤く腫れ上がる。しかしソロは鼻提灯を出したまま眠っている。
レイ「・・・・いい加減に起きやがれっ!!!!」
レイはつまむ方の手を変え、思いっきり腕を後ろに下げ拳をもう片方の頬に直撃させた。
ソロが吹っ飛び、植物の葉で鼻提灯が割れ転げた。
ソロ「もう食べ切れ・・・んにゃ?」
どうやら食べ物の夢を見ていたらしい。全く緊張感という物がないようだ。
レイ「良いか・・・良く聞け。今この街にラディアスの兵達が来た。十分注意して乗り込むぞ・・・!」
レイがソロの目の前に立ち膝になって喋った。
ソロ「ん〜・・・でも、わざわざ敵のいる所に突っ込まなくても良いんじゃない?捕まりに行くような物だろ〜・・・」
ソロが寝ぼけ眼で答える。
レイ「・・・馬鹿かお前・・・・」
レイが片手を額に付け、溜息をした。
ソロ「・・・ん?何で?」
レイ「良く良く考えてみろ。ラディアス軍がこの何の変哲もない街にわざわざ大軍で来るか?きっと何かあるはずだ・・・重要な情報が掴めるもしれない・・・・」
レイはソロに言葉を返した。
ソロ「ぁぁ、そっか・・・!」
ソロはあくびをすると、立ち上がってレイの後ろに立った。
レイ「・・・じゃあ、行くぞ・・・!」
レイはそう言って入り口に走った。
〜街〜
人の気配はあるにはある。だが、街の大きさの割には多いとは言えなかった。
地面は石で造られている。建物は普通のようだ。
レイは十分警戒しながら、ソロは普通に歩いて進んだ。
すると、後ろと前から声がする。レイはラディアス兵だと悟った。
レイ「・・・隠れろ・・・・!」
レイは日の当たらない路地裏に回り込んだ。
しかし、まだ寝ぼけていたソロが日なたでのんきにまた寝かけている。
レイは急いで建物の影から腕を出し、ソロの腕をひっつかみ引っ張り戻した。
足音が近付いてくる。二、三人だろう。
一方から二人の兵がやって来た。
レイはソロを奥に押し込み、耳を澄ました。
ラディアス兵A「・・・・見つかったか?」
ラディアス兵B「いや、まだだ・・・これじゃ上に何をされるか・・・」
二人の兵が話している。何かを探しているようだ。自分達だろうか。
すると、もう一方からの足音が近付いてきた。
レイよりは年上だろう。そして変な格好をしている。
???「・・・・調査は順調か?」
ラディアス兵の二人が驚いたように振り返り、急いで敬礼をした。
ラディアス兵A「それなんですが・・・・」
ラディアス兵B「まるで手がかりも見つかりません。この街の何処かに本当にあるのでしょうか?」
兵ではない誰かが答えようと口を開く。多分此奴も軍の人間だろう。
???「そうか・・・此処に有る筈なのだが・・・」
その人物に小鳥が集まってくる。小鳥は肩に止まった。
???「とにかく調査を続けるんだ。何か見つかるかも知れないからな」
そう言うと、その人物は兵を通り越しレイの視界から消えた。
ラディアス兵「了解しました!アルグス中佐!」
兵もレイの視界から消えた。それを確認すると、ソロをひっつかみ道に出た。
レイ「『有る筈』って事は、とりあえず俺達が狙いじゃないようだな。じゃあ一体何が・・・・」
ソロは眠気が完璧に覚めたみたいだ。すぐにその場から立ち上がった。
ソロ「とにかく行こう。聞き込みが一番良いさ」
レイ「ぇ・・・?ぉ、おう」
ソロが珍しくそう言う事を言うので、レイは少し驚いた。
とりあえず近くの商店に寄った。
ドアを開け、目の前に広がるのは野菜の数々。八百屋らしい。
店員「いらっしゃい!」
店員が威勢の良い声を張り上げ、奥の方から出てきた。
ソロが野菜を見つめている。とても食べたそうだ。
レイ「(こいつ・・・・やはりそうだったか・・・・)」
レイは思わず溜息をつく。少しは見直したソロを再び見損なった。
レイは何も買わないのも微妙なので、ソロが見つめている野菜を一つ頼み、金を出して商品を受け取った。
レイ「一つ、聞いて良いか?」
店員「何でしょうか?」
店員が帽子を取った。
レイ「今此処に軍が来ているようだが・・・一体何を探しているんだ?」
店員「ぁぁ、それですか!実はラディアスの兵も今此処に寄りましてね、何だかこの街の秘密がなんだとか言っていましたねぇ〜」
レイ「・・・・?」
レイは野菜をソロに渡した。ソロは野菜をそのまま口に頬張り、むしゃむしゃと食べていく。
店員「まぁ、こんな普通の街に秘密なんてありゃぁしないと思いますがね〜」
レイ「・・・・そうか。有難う」
レイはそう言って店を出た。もちろんソロを引きずって。
後ろから「またどうぞ!」という店員の声がする。再び来る事は多分ないだろう。
すると、再びラディアスの兵らしき足音が近付いてくる。
レイは急いでソロを拾い上げ、辺りを見回した。
ソロ「・・・え!?何!?」
レイ「何処か・・・何処か隠れる所は・・・・!」
すると、目の前にあった広場の真ん中に川があった。多分外にも通じていたあの川だ。
一部分だけ円状に川の道が施されている部分があった。
レイはソロを抱えたままその円状部分の川に飛び込んだ。
ソロ「うわぁぁぁああ・・・!!」
音が立ち、泡が水上へと昇る。冷たい感触が体中に来た。
今は寒くはないので、冷たい水は逆に心地良かった。
レイは氷の簡単なコマンドを使い、水中で息が出来るように自分とソロに施した。
もっとも、精神力が切れるまでは水中に潜っていられるだろう。
兵の足音が近付いて来、そしてまた消え去った。レイは一息つき、視線を底に移した。
レイ「(・・・・これは・・・・・何だ・・・・・!?)」
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