GALAXY QUEST
宣告
レイ「・・・・先手必勝だ・・・!」
レイは片手を前に突きだし、もう一方の手で突きだし他方の腕を押さえた。
レイ『貫け、無限の氷槍!ブリザードランス!!!!』
レイの周りから数多の氷槍が現れ、その刃先は謎の人物に向けられている。
その氷槍は一気にもの凄い速さで謎の人物に放たれた。
???「無駄な事を・・・・」
謎の人物にまだ氷槍が届いていない時点で、レイの横からゼトが弓を構えて居た。
ゼト『切り裂け、疾風の矢!テンウィンド・アロー!』
ゼトの弓に風が集まっていく。
と思ううちに、素早く十本の小さい矢が放たれた。
同じく矢は草原を切り、謎の人物に向かっていく。
ゼト「これで避けきれな・・・・」
謎の人物は残像が残るほどの素早さで回避し、氷槍は全て謎の人物を通り過ぎた。
???「他愛もない・・・・」
謎の人物はそのマントの中から出された邪悪な剣を構えた。
レイ「何か来る・・・・!」
レイは一歩下がり、防御の態勢を取った。
???『・・・・瞬架』
謎の人物の剣が目で追えないほどの素早さで動かされた。
と思うと、ゼトが放った十本の矢全てがこちらに向かってきている。
レイ「何だと!?間に合わ・・・・・」
十本の矢は速度を増し、レイとゼトに襲いかかった。
防御をする暇もなかった。
直撃こそしなかったが、顔と腕にかすめて出血した。
レイ「(真っ直ぐに放たれた矢を・・・真っ直ぐ反対方向に跳ね返しただと・・・?)」
謎の人物の小さい笑い声が聞こえた。
???「まぁ慌てるな。私が頼まれたのは貴様の始末ではない」
レイ「・・・何だと!?」
ゼトは警戒し、弓を構えている。
レイも片腕を突き出した。
???「『宣告』だ。貴様等がこれ以上軍の機密を探ろうとし、そして邪魔をするのならば・・・消す」
レイは唾を飲んだ。
風が三人を包む。
???「もしも軍の元に、戻る意思があるのならば・・・・」
レイ「そんな宣告聞き入れるか!!!!!」
レイは片手を振り払い、遮るように叫んだ。
ソロは何だか気絶しているようだ。さっきから声も何もしない。
再び風が三人を包んだ。
謎の人物は薄笑いをあげる。
???「・・・・これは良い報告が出来そうだな」
そう言うと謎の人物は吹き来る突風と共に消え去った。
静寂が辺りを包む。
その静寂は後ろから聞こえるソロの声で破られた。
ソロ「うぅ〜ん・・・・・」
ソロはそう言い、目線を下に落とした。見えるのは打ち上げられ、もう死んでいる魚。
それを見ると、再びソロは挫折した。
宣告。奴らは本気らしい。
レイのあの言葉を聞けば、軍は此方に牙を向ける事になるだろう。
九つの堕天使・・・それはいったい何なのだろうか。
レイは何かを思い出すように、ゼトに尋ねた。
レイ「・・・・それで、九つの堕天使の事が分かったとか・・・・?」
ゼト「・・・・ぁぁ、うん」
ゼトは懐から本を取り出した。
ゼト「十数年前に、この世界に九つの『何か』が落ちてきたんだ。その何かはすぐに眠りについているらしいけど・・・・・・」
レイ「それだっ!!!!!!」
レイはゼトの両肩を押さえつけた。
ゼトは少し驚いたが、そのまま本を読み上げた。
ゼト「その『何か』に勿論世界の人々は調査をした。しかし、その『何か』に近付く事さえも出来なかった。その力は弱者をまるで寄せ付けないかのように」
レイ「それだ!で、その『何か』って何なんだ!?」
ゼトは本をレイに見せた。写真が写っている。
それはいかにも怪物の姿をしていて、背中には白い翼、白い体、そして中心から枝分かれのように赤い線の模様がある。
そんな怪物が森のど真ん中に居て、うずくまっている。
レイは本を返した。
レイ「間違いない・・・・これが九つの堕天使だとすると、こんな物が九体も居る事になる・・・」
レイは何かを思いついたように、挫折するソロを引っ張り上げた。
レイ「俺達は行く。お前を巻き込む訳にもいかない。じゃぁな」
レイはそう言うと、ソロを担いで歩き出した。
と思うと、一度止まってゼトに話しかけた。
レイ「此処から一番近い街は何処にある?」
レイはただ呆然と立つゼトに問うた。
ゼト「南東にある。ラディアスの西部よりは西だけどね」
レイはそれを聞くと、前に向き直りそのまま手を振った。
ゼト「ぁ、ちょっと待って!」
ゼトはレイを呼び止めた。
レイは再びゼトに向き直る。
ゼト「力になれないけど・・・頑張れよ!」
ゼトは弓を片手に、手を振った。
レイ「ぁぁ。世話になったな」
レイは再び手を振った。
レイ『舞い上がれ、身体!スカイウィンド!』
そう言い、ゼトが見上げるこの青空にレイは飛び立っていった。
二人は軍を敵に回した。
宣告を無視すれば、本当に二人を殺しに掛かってくるだろう。
軍の機密を知るこの二人に・・・・
そして、彼らは狙って来るであろう。
世界を滅ぼす力を秘めたる少年を・・・・
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