GALAXY QUEST
暴かれし軍の機密
レイ「・・・・・何だ・・・・これは!?」
人々がまるで実験道具のように、筒状の水槽に入れられている。
緑の水からは泡がボコボコと吹き出し、水槽の下の機械からはコードが何本も顔を現している。
そんな物が数百、いや数千と並んでいる。
レイと同じ人間族もいれば、カービィ族の者も居た。
部屋は暗かったが、水槽が光っていて辺りは見えた。
すると、一つの水槽の中に見覚えのある顔が一つ。
レイ「こいつは・・・・今日俺が捕まえた奴・・・!!!」
其処にはレイが今日捕まえた犯罪者が、水槽に入れられていた。
レイは驚きを隠せない。
今まで自分が捕まえてきた犯罪者が、この水槽に入れられ実験体のように扱われている。
レイは水槽の中の人物をゆっくり歩いて見て、途中で止まった。
そしてレイは、ある事に気づいた。
レイ「俺が捕まえた犯罪者・・・その中でも能力者だけが入れられている・・・!」
今日捕まえた犯罪者もまた能力者だった。
すると、後ろから足音が一つ。
レイはその存在に気づくと、急いで水槽の向こう側に移動し、機械の影に潜り込んだ。
???「寮に戻って体を休めよと、言ったはずだ。ファルス中佐・・・・・」
聞き覚えのある声。
レイは身を乗り出し、その姿を確認してからその人物の前に出た。
レイ「これはどういう事ですか・・・・・大総統閣下!!!!!」
レイは片腕を振り払って叫んだ。
其処にいたのは大総統だった。後ろで腕を組んでいる。
???「ぁぁ・・・・・これかね?」
大総統は真横にあった水槽をポンと叩き、レイに視線を戻した。
???「我々の研究材料となる能力者だが・・・それがどうした?」
何ともないという顔薄笑いを挙げ、その目でレイを睨んだ。
レイ「今まで俺が捕まえてきた能力者は全て、その研究に使われていたというのですか!?」
大総統は水槽から手を離し、レイの真ん前に止まった。
???「その通りだ・・・流石はファルス中・・・・」
レイ「何故です!?何の研究の為に!?」
かき消すようにレイは叫んだ。
???「・・・君は一つ、勘違いをしている・・・・」
レイ「・・・・・!?」
静寂の中、泡の立つボコボコという音が部屋に響き渡る。
???「君が捕まえてきた犯罪者であり能力者の者は・・・・・・能力者であって犯罪者ではない」
レイ「・・・・・!?」
レイは一歩後ろに下がった。
???「これも我が軍の研究の為。犠牲者が出るのは仕方のな・・・・」
レイ「ふざけるな・・・・・・」
レイが下を向いて喋った。
レイ「ふざけるなぁぁぁぁぁぁああ!!!!!!!!!!」
部屋中にレイの声が響き渡る。
???「・・・・・?」
レイ「罪のない能力者まで俺に捕まえさせ、そして研究材料にしてたと言うのか!?」
レイが怒鳴った。
???「・・・・・その通・・・・」
レイ「貴様、それでも大総統かぁぁぁぁぁぁああ!!!!」
レイの叫び声で、再び言葉がかき消される。
???「・・・・・なら、教えてやろう。何故能力者を研究材料にするのかを・・・・・」
レイは拳を握りしめ、ただひたすらに大総統を睨みつける。
???「・・・これらの実験材料は、最強の能力を研究によって開発する為。そして、九つの堕天使の力を得る為だ・・・・!」
レイ「・・・・何だと!?」
???「そして君もまた・・・・・」
静寂が二人を包む。
???「沢山利用してから我が軍の実験材料となるのだからな!!!!!!!」
大総統が片手を突き出した。
レイ「・・・・・何だと!?」
???「永遠の呪いを愚者に与えよ、漆黒の死神!!ダークネスレクイエム!!!!」
大総統の手の先から黒い光が立ち込め、やがてその姿は巨大な死神となった。
レイ「・・・・貴様・・・・!!!」
死神は腕を伸ばし急接近し、レイに襲いかかった。
???『授けよ、守護神の護り!!ライトニングガーディアン!!!』
レイ「・・・・!?」
何処からともなく、声がした。
と思ううちに、レイの目の前に巨大な光の盾が現れた。
死神はそのまま光の盾に直撃したが、腕だけが貫通してレイの腕をひっ掴んだ。
レイ「うぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!!!!」
レイは其処に跪き、左腕を右腕で掴んだ。
焼けるような激痛が左腕中を走り、左腕の感覚がなくなった。
すると、レイの目の前にマントを纏った誰かが立っていた。
フードも被っており、顔が見えない。
ただ分かるのはカービィ族。レイより遙かに身長が低い。
???「何者だ貴様!!!邪魔をするかぁ!!!」
大総統が怒り狂っている。
???『行け!!!早く此処から逃げるんだ!!!!!』
レイは少し迷った。
???『早く!!!!!』
レイは戸惑いながらも、左腕を掴みながら入り口に向かって走り出した。
???「逃がすかぁ!!!!!」
大総統は片手を走るレイに向け、突き出した。
???『爆ぜよ、爆炎の竜巻!!!クラッシュトルネード!!!!』
謎の人物は片手を突き出し、大総統に向け炎を纏った巨大な竜巻を放った。
???「・・・・・!?」
大総統は腕を交差させ、防御の態勢を取った。
ドォォォォォォオオオン!!!!!!!
竜巻は大総統に直撃し、大爆発を起こした。
それに伴い煙が発生し、辺りが見えなくなっていた。
大総統は無傷だった。何か使ったのだろうか。
それよりも、煙が止んだときにはレイの姿も謎の人物の姿もなかった。
???「・・・まぁ良い。我が軍に楯突くとどうなるかを、思い知らせてやろう・・・」
静寂の中、大総統の高笑いが響き渡った。
レイは廊下を走り回った。ただひたすらに逃げる為に。
あの人物は一体誰なのだろうか?
自分を救ってくれた事には変わりない。自分の敵ではないだろう、と思いながらレイは走った。
それに、大総統の言っていた九つの堕天使とは何なのか?
すると、曲がり角の付近に一人のカービィ族が居た。
レイ「見つけた!おい!行くぞ!!!」
レイは走りながらそのカービィ族の腕をひっつかみ、そして窓へと走り出した。
???「うわぁ!!何すんだよレ・・・・」
レイ「五月蠅ぇ!ソロ!話すと長くなるから兎に角ついてこい!」
彼の名前はソロ。ソロ=ラファエルだ。
レイの親友で、鋼と雷を操るカービィ族の能力者であり、「磁力のコマンダー」としても名が高い能力者だ。
レイ「しっかり掴まってろよ!!!」
バリィィィィィイン!!!!!!!!
レイはそのまま窓を突き破り、空中へと飛び立った。
ソロ「うわぁぁぁあ!ずるいよ!俺レイと違って飛べないのに!」
ガラスの破片が下に落ちてゆく。それよりも早く二人は落ちていった。
レイ『舞い上がれ身体!スカイウィンド!!!!』
レイが風に包まれ、体が空中に留まった。ソロはレイに腕を捕まれぶら下がっている状態だ。
ソロは自力でレイの腕を上り、背中に乗った。
レイ「とにかく、此処から離れるぞ!!!!」
レイはそう言って空へと舞い上がった。
彼の旅は此処から始まる。
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