クリエイターズ!リターン!

魔剣の力

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 甲板で三人の鬼と一人の少年が対峙している。
 その付近にあの三人はいた。
「もっと食いたかったなぁ〜」
「一番食べてたくせに……」
「あの時水が無かったら窒息してた……」
 ……あの三人が…………(ぁ
「それにしても……何だってんだよ!あの店員!突然『非常に他のお客様に迷惑ですのでお引取り願えますか?』だってよ!」
「でも確かに途中から他のお客さんの視線が痛かったような……」
「どちらにしろ、もう食べれないんだか…………ん?」
 途中で言葉を中断し前方を何やら凝視しているグライン。
 ロキとライも質問する前に同じ方向を向いた。目の前には物騒な剣を構えている三つの球体と見覚えのある球体が一つ……
「あれ……リュウだよ……ね?」
 確認する為に念に念を押して二人に問いかけるグライン。
 三人とも互いに目を合わせ少々慌て気味に頷き合う。
「戦う……のかな…………」
「何にせよ、あまり良いイベントじゃ無さそうだな」
 暫し沈黙し、三人とも意思を固めたのか一斉に声を出した。
「行こう!」


 甲板 


「何か俺だけでも倒せるかもね♪」
 クロードが楽しげに言う。他の二人は依然として沈黙していた。
「あまり調子に乗ってんじゃねぇぞ」 
 ――とは言ってみたものの……相手の力も未知数だし、油断は出来ないな…………
 体力的に支障はないが、此処は客船だ。あまり長く戦いは出来そうに無い。
 ――条件は悪いけど勝機が全く無いという事は無いな……
 一気にホーリークリエイションで片を付けたい……そう思うリュウだが、夢で見た闇の自分の姿が記憶に蘇る。

 悪魔
 
 あの姿が闇の力の使用を拒絶してしまう……「使っては駄目!」そんな危険信号を全身の細胞一つ一つが伝えているかの様に。
「………………」
「どうした?何だよ、かかって来ないのか?」
 クロードの言葉で我に返る。――何かと深く考え込むのは悪い癖だな……リュウの中で悩んでいた物が吹っ切れた。
「微妙な所だけど、まずは行動行動!よ〜し……『クリエ』
「リュウ〜!」
 ようやく勢いづいた所で何やら聞いたことのある声。気分が乗ってきたというのに止められるとは……拍子抜けである。
脱力してしまったが何とか気力を取り戻し、声が聞こえる方向を見ると其処には……
「ロキ?」
「やっぱりお前かぁ!」
 ――元気で明るい声だ。ますます気が抜ける…………
 後からグラインとライも駆けつけた。
「お前ら何でこんな所に……」
「リュウも何で変な奴らと睨み合ってんの!」
「変な奴らとは心外ですね」
「初対面だからってそれは無いでしょうに!」
 羅刹無も反応し始めた。徐々に戦闘モードじゃ無くなっていく状況にリュウがあからさまに嫌そうな表情を見せる。
「所で貴方達はどちらさん?」
「クロードだぜ♪」
「スティル……」
「ダルグだ」
「三人合わせて『羅刹無』で〜す♪以後お見知りおきを♪」
「…………」
 ――作者、舞台裏の時覚えてろよ…………強く誓うリュウだった。(ぁ
「いい加減にしろぉ!戦うんだろうがぁ!」(ぁ
 絶えられなくなったのか遂に切れたリュウ……(ぁ
「そういえばそんな雰囲気だったね!」
 クロードが軽々しく言う。リュウは既に呆れた様子だ。
「……面倒くさいけど、良く聞けよ三馬鹿」
『妙な呼び方は止めぃ!』
「港町の無の事だけどな……」
「おぃおぃスルーかよ…………」
 リュウは話し続け、事情を説明した。とりあえず三馬鹿(ぁ も現在の状況を理解した様だ。
「うゎ……さっきまで普通に話してた自分が馬鹿馬鹿しい……」
「まだ俄かに信じられないけどね……」
「でもそれが本当だったらさ……この状況ってヤバくない?」
 うろたえる三人……進化形態ならば進化する以前の状態よりは確実に強い事は確かだ。
「ララ達も呼んだ方が良いかもね……」
「僕行って来る!」
 グラインが全力疾走で甲板を駆ける。次第に小さくなっていくグラインの姿はふっと消えていった。
「結構あがきますね……それで勝てるかなんて分からないのに……」
「分からないからあがくんだろ!『クリエイト!レム!』」
「じゃあ俺もあがくかな……『クリエイト!イフリート!』」
「早くララ達が援護に来てくれると良いんだけどね……『クリエイト!シルフ!』」
 各々の武器が光と共に出現する。リュウ達は完全に戦闘モードに入った。
「さてと……魔剣を手にした鬼の力を見せるとしますか♪」
 羅刹無も戦う体勢に入る。現在3対3、数は同じだが実力はどうだろうか。
「俺はクロードをやる」
 リュウがクロードに剣の切っ先を向けた。
「じゃあ俺はダルグかな」
 斧を得意気に振り回し、軽く笑みを見せるロキ。
「そしたら僕はスティルか……」
 敵とはいえ相手は女だ。少し不満気にライが言う。
「よし、行こう」
 一斉に床を蹴り相手に向かって一気に駆ける両者。相手が間合いに入ると、互いに攻防を繰り返し相手に一撃入れようと絶えず技を繰り出す。


 リュウ・クロード側


「武器と武器がぶつかり合ってるって事は本当に物を消す能力は無いんだな!」
「その分殺傷能力が上がったんだよ♪ほらほら!チンタラ喋りながら戦っていると舌噛むぞ!」
 リュウが相手を遠くに弾く様に剣を繰り出した。クロードがその衝撃で剣が後方に弾かれ、それに引っ張られるかの様にクロードも後退りする。
 するとリュウも後ろに飛び、距離を取ったと思うと構えを変えた。
『光波ぁ!』
 巨大な衝撃波。白く輝く軌跡を描く光の衝撃波は確実にクロードに近づいていった。
「クッ!」
 体勢を立て直し空へと飛び上がるクロード。余程跳躍力があるのか依然として空中を飛び上がり続ける。
「危なかった〜!あんな衝撃波食らうのゴメンだね♪」
「まだまだぁ!」
 眼を静かに閉じ意識を集中させるリュウ、そして剣をクロードに勢い良く向けた。
「曲がれぇ!」
「ぁ?何だって?……ん?」
 下を眺めると先程の衝撃波が方向転換し、こちらに向かって来ているではないか。
「嘘ぉ!?」
 空中だと光波を回避する程の空中移動は出来ない。只管上に上がっていくだけである。
 クロードもそれを悟ったのか剣を構えた。
「この力を使わないで勝とうと思ったのになぁ……」
 愚痴をこぼしつつ、空中で剣に力を込める。次第に剣に装着されている三つの石の内の一つが輝きを増していった。
『属性変化!風!』
 こう叫ぶと共に眩い光の中で剣の形状が変化していく。
 そして次第に光が弱まっていったかと思うと剣は大剣から細身の長剣に変わっていた。
「行くぜぇ……」
 剣を光波と平行の向きに構えると、クロードの周囲に風が巻き起こり始めた。
『風の加護!』
 クロードを中心に激しく旋風が巻き起こる。その風量に負けたのか、向かって行った光波がかき消されてしまった。
「な……!」
「これが俺の魔剣の能力さ♪その名も『属性変化♪』三つの属性を操れるんだぜ♪」
 楽しそうな無邪気な笑顔で風と共に急降下するクロード。
「どうした?笑えよ……もっと楽しもうぜ♪」
「クソが……」
 嫌味を含めた笑顔でリュウがポツリと一言放った。
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