クリエイターズ!リターン!

集合

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 廊下を走る音、辺りが静かな分、余計に五月蠅く聞こえてくる……
 そんな事はお構い無しに彼はある部屋を探す為走り続けた。
 息を軽く切らし走りながらも辺りを見渡す。
 部屋の番号聞いとけば良かったな……でも今はもう仕方ないや……兎に角急ごう。
 途中で突然急停止する……此処だ!
「ねぇ!大変だよ!」
「きゃぁ!」
 激しい音と共にドアに突撃……相手は当然驚き叫ぶ。
「入る時位ノックしなさいよ!驚くでしょう!……あれ?グライン?」
「説明するのは後!兎に角大変なんだ!」
「……何?」

 数が増え、今度は二人で全力疾走で走る。
「確かこっちの方だった気が……」
「あった!」
 グライン君ドアに向かって再び捨て身の突撃(ぁ
 普通に開けるという考えは彼の思考回路に存在しなかったのだろうか。
「……うわぁぁ!誰だ!来るなぁ!」
「ちょ……待ってって……ぎゃぁぁ!」
「止めて!死ぬぅ!」
 船内に激しく銃声が響き渡る。それを止める声も虚しく、絶えず銃が発砲された。
「一体何なんだお前等はぁ!ぁ……お前等か」
 ようやく我に返るエイダ。蜂の巣状態の部屋から煙が立ちこめる……
「あんた……それは死ぬって…………」
「エイダって結構リアクション良いんだね」
「……五月蠅い!というかノックして!ノックを!」
 少々軽く顔を赤くしながらもツッコミを繰り出す。その光景を見て二人は面白い物を見たと悪戯っぽい笑顔を見せた。
「って……こんな事してる場合じゃないんだよ!」
「何かあったのか?」
「兎に角一緒に来て!」
 走り出そうとする素振りを見せるララだが途中で何かに気付いた様にそれを中断した。
「ディアも呼ぼうか?」
「呼ばない方が良いよ」
「何でだ?」
 当然の質問だ。エイダとララはどの様な状況になっているか分からない。
 だけど話している時間が無い。例え説明したとして先を急ぐ事に変わりは無いのだ。
「話したってどうせ急ぐんだ!早く行こう!」
「ちょ!待ちなさいよ!」
「本当に状況が分からないんだけど……」
 色々言いつつも後に続いて走りだす二人。荒々しいその足音は、ある部屋を通過した。
「ん?……銃声みたいな音が聞こえた様な…………」
 部屋でくつろいでいたがその音に席を立ちドアに近づくディア。すると……
≪待ちなさいよ!≫
「……ララさん?」
 声と共に複数の何かが走る物音……ドアを開けてみるとララとエイダ、そしてグラインが走っている。
「何かあったのかな……」
 次第に小さくなっていくその姿を、ディアは追いかける事にした。


 甲板 ダルグ・ロキ側


「結構素早いなお前!」
「お前の攻撃が大振り過ぎるんだ。もっと無駄無く攻撃できないのか?リュウとかいう小僧とは大違いだな」
 思わずリュウの方向を見てしまう。クロードと剣を交えているリュウの姿……軽く見入ってしまった途端に自分に向けて剣が放たれる。
「……ぅわあ!」
 完全には避けられなかった。頬を掠り鮮血が少量だが飛び散り、傷口から流れ出る。
「やはり遅いな……その武器の重さにスピードが殺されているのか、それとも単に隙だらけなのか……」
「危ない危ない……ズルイだろ!リュウの方を見ちゃうような事を言った途端に突然斬りかかりやがって!」
「別に俺は見ろなんて言葉は一言も言ってないが?それに敵同士の殺し合いにズルイも何も無いだろうが」
「俺……別の形でお前と会っても絶対に仲良くなれそうにねぇよ……」
 淡々とした喋りに少し腹が立ったのか冷静な口調でロキがダルグに言う……ダルグは相変わらず無表情のままだ。
「好い加減かかって来い……時間の無駄だ」
「あぁ……そうするよ!!!!!」
 斧を前方に構えつつダルグに向かって駆けるロキ。
 再び相手の懐に突っ込み闇雲に攻撃するとダルグは想定していたが、今回は違った。
『火砲弾!』
 斧の先端部分から巨大な炎弾。赤く輝きながら激しい音を放つこの炎弾は確実にダルグに向かっていた。
「デカイな……それに速い」
 だが決して避けられない技ではない――こちらのスピードの方が遥かに上なのだ。
 十分に引き付けた後に避けよう……ダルグが身構えると炎弾に突如異変が起こる。
『爆炎!』
「ん?」
 炎弾が激しく揺れ弾ける……弾けた巨大な炎弾は無数の小炎弾に変化する。
『炎弾流星群!』
「!」
 範囲が広い攻撃。その上素早いとなると……
「受けるか……」
 剣を構え何かを唱え始めるダルグ……すると船全体が軽く揺れ始めた。
『水壁!プロテクションウォーター!』
 船の下から海水が上がってきた。そして生きているかのように動きダルグの前に現われ水の壁が作られる。
 無数の炎弾が水の壁に飛び掛っていくが水の力にかき消されていった。
 炎弾が水壁にぶつかる度に水壁が軽く揺れ、前方がぼやける。
 そのせいか炎弾を全てかき消し、水壁も役目を終えて壁が崩れ只の海水に戻ると目の前にいた筈のロキが消えていた。
「奴は何処に……」
「此処だよ」
 背後を見ると斧を振り翳そうとするロキ。本能的に体が動き剣を構えて受けようとするが無駄だった。
「その細い剣……真っ二つにしてやる!」
 剣と斧が触れた瞬間にパキンという寂しい金属音……剣の切っ先が宙を舞う。
 無駄だと悟ったダルグは即座に身を逸らし辛うじて受け流した。
「水壁の欠点か……」
「一回避けただけで安心してんじゃねぇぞ!」
 ロキの言う通りだ。絶えず斧の攻撃は続く。
「くっ!」
 斧の刃がダルグの左足に掠った。鮮血がにじみ出る。
「魔剣も大した事無いな……小枝みたいに折れちまったし……これでお前の攻撃力も下がったぞ」
 勝機を見出したようにロキが言う。しかしダルグの反応は意外だった。
「攻撃力が下がった?違うな……」
 すると折れて別々になった剣の柄と刃の周りが白く輝きだした。
「上がったんだ!確実にな!」
 次第に白い輝きが形を成していく。輝きも増して行き、白い輝きが二つの剣の形になった。
「これが俺の魔剣の能力だ……本体は脆いが魔力を加える事で戦闘向けの剣に変化する『魔法剣』」
 落ちていた刃の方の魔法剣が宙に浮かぶとダルグの左手に装備される。
「折ってくれて有難うよ……お陰で二刀流だ」
「逆にこっちが驚かされたな……」
 殺傷能力が上がる――危険だ。早く援護にグライン達は来てくれないだろうか……
「ついでに言うと魔法剣は剣に魔力が込められている分魔法の威力も上がるんだ」
「……敵を強化させたって事かよ?ハッ……」
 力の抜けた笑い声出すロキ。時間稼ぎ位は出来るだろう……
 そう思ったロキは魔法剣を構えるダルグに向かって駆けた。


 ライ・スティル側


「女の子と戦うのはあまり好きじゃないんだけどな……」
「あまり侮らない方が良いと思いますよ」
 ダルグと同様、淡々とした冷静な口調。不安や恐怖という感情は彼らには全く存在しないのだろうか?
「私は無駄な時間を費やすのが嫌いでしてね……力を解放して早々に終わらせてしまいますよ」
 剣の刃の部分に手を当て、集中し始める……すると剣の溝の部分が光り、カチリという音と共にまるで関節が外れたかのように刃の部分が下に垂れ下がり、鞭のような形状に変わった。
「この剣は他の鉄の塊とは違いましてね……」
 剣が勝手に動き出した。ライは見たことも無い光景に放心状態になっている……
「剣だって生きているんですよ?魔剣のように力を込めれば……」
「妙な話だね……そんな事があるなんて思いもしなかったよ」
「名もありましてね……『アシュラ』この者を排除しますよ」
 アシュラと呼ばれたこの魔剣は、ライを威嚇するかのようにカチカチと刃を震えさせ音を鳴らす。
「嫌だなぁ……この光景」
 そう言いつつ拳に力を込める……魔剣――魔の力を加えられた剣の能力は未知数。他にも能力を隠しているかもしれない……
「飛びなさい……アシュラ」
 アシュラが反応し、剣がライ目掛けて一直線に一気に伸びる。すると……
「!」
 突如銃声が聞こえ、弾が剣に直撃し刃が弾かれる。銃声の方向を見ると……
「しっかりしろ!ぼけっとするな!」
 銃を装備したカービィにこの口調……ライの思い当たる人物では彼女しかいない。
「君は……」


 リュウ・クロード側


「食らえ!」
 クロードがリュウに飛び掛った瞬間、槍を装備したカービィが剣を受け止めた。
「危ない……派手に戦ってるねぇ」
「遅いんだよ来るのが……」
 リュウが嬉しそうに槍を持っているカービィに言った。


 ロキ・ダルグ側


「先程の炎弾を返してやろう……」
 魔法剣から巨大な炎弾が発射された。ロキが身構えていると……
『水の護り!』
 先程ダルグが出現させたような水壁がロキの前に現われる。巨大な炎弾は見事に消滅してしまった。
「炎弾眺めてる暇があったら避けるなりしなさいよ!」
「ようやく来た〜……」
 安心したようにロキが言う。どうやら頼み綱の援軍が来たようだ。
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