クリエイターズ!リターン!

異大陸へ

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「…………?」
 リュウが気が付くと其処は暗闇の世界。以前にも見た光景だ。(前作参照)
 ―またこの場所か――再度見た光景なので驚きは無い。
「この場所に来たって事は……」
 ―何か意味があるだろう……此処に来る時は毎回彼の中に居る闇の心が何か重要な内容を伝えてくれる。
 ―立ち止まっていても仕方ない。リュウは暗闇の世界に軽く抵抗を感じながら思う方向に歩き出した。
「見つからないなぁ。自分から出てきたって良いだろうに……」
 不満そうに愚痴をこぼしながら歩き続ける。
 ……すると突然冷たい感触と共に何かにぶつかった。唐突に起こった衝撃に驚きその場に倒れてしまう。
「驚いたぁ〜、其処に」
「…………」
 一瞬とてつもない殺気と威圧感を感じ、言葉を途中で止めてしまった。
 眼が慣れてきたのか少し暗闇でぼやけながらも姿が見える。
 …暗かったとしても自分の姿を見間違える事はそんなに無いだろう。目の前には確かにもう一人の自分がいた。
「―お前だよな……?やっぱり何かを伝えに……」
 ……体が硬直しつつも必死に思考を働かせ、ようやく出てきた一言。
 ―以前は違和感無く話せた筈だ。―なら今感じているこの感覚は何だ?
 ……何にせよ通常の感覚では無い事は確かだ。
 そして少し――いや、大分経ったのだろうか……時間の経過も感じないほどの恐怖感とも言い難いこの感覚。
 ……すると、闇の方の彼がゆっくりと振り向き囁いた。
「…………だ」
「……ぇ?」


 病院


「…………ぅわあ!」
 激しい汗と共に目が覚める。……小さな個室、白いベッド、 微かに薬品の香りがする部屋――何処かの病院のようだ。
「おい!リュウ!何があった!」
「……おぉ!」
 ―どちらかと言うと、お前の声の方が驚いたんだが……
 そう思いつつも部屋の入室を受け入れる。荒々しくドアを開けたのはロキだった。
「おぉ!無事だったか!良かったな〜」
「つーか、此処何処だよ……」
 ……俺を心配してくれてたのか……何とも言えない嬉しさと照れてしまう感情が同時に押し寄せる。
 リュウの問いに静かにロキは答え始めた。
「此処は港町の病院だよ。お前も無と戦ったのは覚えてるだろ?」
「そうか……ぁ!そういえばゲイル達は……」
 気付いた途端に絶望した表情に一変する。……ロキは慌てて話しかけた。
「大丈夫!大丈夫!あいつ等なら戻って来たよ!」
「はぁ!?お前馬鹿にしてんのか!?」
 殴りかかりそうな勢いだ……先程まで静かに眠っていた奴とは思えない。
「いやいや!……実はお前が気絶した後……」



「ゲイル!?」
「ぁ……皆だ……」
「お前どうして……」
 仲間達が仰天する中、更に奇妙な現象が続いた。
「ぉ?何でこんな所に……」
「ありゃりゃ?此処って港町?」
「まただ……どんどん再生していく……」
 光が集まる中次々と仲間が戻っていく……しかも、それは仲間だけに留まらなかった。
「あれ?……俺は一体……」
「買い物してたら突然変な奴に……」
 見知らぬ亜人やカービィ達が次々と現われる。話を聞いてみると、この町の住民らしい。
「この光ってリュウが出したんだよな……」
「これもリングの力なんだろうか……?」



「って訳!」
「いゃ……「って訳!」って言われても……何か理解出来ん」
「俺だって知るかよ……つか、お前が出した光なんだぞ?」
「む〜……創造されし者の力とか?」
「だから俺が知るかよ!……とにかく外出ろよ。もう元気みたいだし、大事な話があるから」
「大事な話……?」


 港町の船着場


「おぅ!無事だったか!」
「本当に皆戻ってるよ……」
 無に攻撃され消えてしまった筈の仲間が全員居た。それが当たり前のように……暖かい安心感が優しく身体を包み込む。
「……で?大事な話って?」
「俺達さ……此処で旅を止めようと思うんだ」
「え…………?」
 ―思いもしない発言に戸惑ってしまう。無に消された仲間がうつむき、暗い表情になった。
「皆さん、相談した上での判断です……ですが、私とリングを持った方々は旅を続けるそうですよ」
 ディアがそっと話す――仕方の無い事だ。少しも抵抗出来ずに消されてしまったのにわざわざ危険に飛び込む馬鹿はいない。
 ……しかし旅を共にした仲間と別れるのは確かに名残惜しい。―俺が護れなかった。――自分の非力さを悔やみきれない。
「分かった……どうしようも無いもんな」
 リュウがゆっくりと頷く。
「だけど、これが最後って訳じゃないからな!だから暗い顔すんなよ〜!」
 アルギが元気な笑顔を見せる。……気分が少し落ち着いた。

「……で?これからどうするよ?」
 リュウが問う。……するとララが明るい表情で答えてくれた。
「記憶探し!と……言いたい所だけど実はさぁ、もうこの大陸には手がかりがもう無いんだよね」
「え?でも、前行った村とかは?」
「えっとねぇ、ディアが持ってたペンダントがあるんだけど……」
 そう言うとディアがリュウに渡し、見せてくれた。所々飾りが付いていて、青く澄んだ宝石のような物が中心に取り付けられている。
「これが何か?」
「このペンダントの宝石は珍しいらしくて……それでこれと同じ物が売られている場所を調べてみたら別の大陸の物だったんです」
「ちょ……それは何処で知ったんだ?」
「宝石店の人が教えてくれたんだよ。蘇ってからこのペンダント見つけた途端興味心身で……」
「それで此処から北の大陸の物らしいからこれからその大陸に行こうという話になったんだ」
 間に入るようにエイダが話してきた。―可能性はあるかもな…… リュウが更に質問した。
「ところで……そこにはどうやって行くんだ?」
 ロキが平然と答えた。
「え?客船だよ」
「船ぇ!?」

 風が静かに吹いていた…
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