ウィーク・トライブ
エスケープ
「―――おい、しってるか?」
「ん?何が?」
「ここらにあの族が来てるらしい―――」
「・・・・・」
二人、人通りの少ない裏道を、こっそり。身を潜ませながら歩いていた。
「お・・・・・ここだな」
手に持っている地図と見比べ、通りの前で止まる。
「この道を通らなきゃいけないのか・・・」
人ががやがや賑わっている商店街。通るなら、人目を避けることは不可能だろう。
「行くぞ・・・・・」
そう言って足を一歩踏み出す。
・・・・・ガッ
「うわ!」
石に足を引っ掛け・・・人ごみの中に突っ込む。
ドサ!
「いててて・・・・て・・・?」
異常な視線。皆、驚いている。
「(え・・・・・なんだ・・・・・?)」
被っていた毛布が、今の衝撃で下に落ちていた。
「あ・・・・・・・・・・・・・・・・・」
皆の目には素顔が映っていた。
第一話 ――エスケープ――
「や・・・・・やあ・・・・皆さん」
転んで商店街に突っ込んだ少年――レイドは、周りの目を窺うように周りの人を見た。
冷や汗をたらし・・・・・静まり返った商店街を余所目に、もう一人・・・ルバスはゆっくり近づいた。
ポン・・・・と肩を叩き、レイドの耳に口を寄せる。
ルバス「・・・・・・・・・逃げるぞ」
その一言と共に急に飛び出す二人。
それを呆然と眺めていた人の一人が、正気を取り戻し「捕まえろ!」と叫んだ。それを走って追う者が何人か現われた。
「待て!!」
数ある種族の中の一つ。「ダグバス」。
気性が荒く、飛び交う喧嘩のほとんどがこの種族の仕業。
体格も大きく、力が強い。
そんな種族が興奮しながら、
太い足でドスドスと音を立て、二人を五名ほどで追いかけた。
レイド「あんなやつ等に捕まったらやばいっつーの・・・・・・」
その時、ルバスが持ち物を取り出す。
ルバス「・・・くらえ!」
ボォォン!!
「煙幕!?」
ルバスが投げたのは煙玉。投げた玉が沢山の煙となり辺りを白い煙が辺りを覆った。
レイド「じゃ〜な」
二人は建物を次々と潜りながら、遠くへ走っていった。
レイド「ふぅ・・・何とか乗り切った」
息を漏らしながら、薄暗い路地の中に隠れていた。
先ほどの騒ぎで次々とレイド達がいることがばれて、外に飛び出すのは危険な状態にと陥った。
静まった路地とは裏腹に、大通りの道は色々な音で騒がしくなっている。
その時ルバスが口を開く。
ルバス「・・・・・なんで転んだ?」
レイド「・・・・・・・・・・」
ルバスの静かなるツッコミに抵抗できないためか、少し顔を顰める。
しかしルバスの言葉は止まらない。
ルバス「お前さ・・・・・今まで姿暗ましてたのに今騒ぎを起こすって・・・・・」
グサッ・・・・と言う音が何度も聞こえてくる。レイドは落ち込み、ガックリと顔を落としいじけだした。
ルバス「・・・・にしても抜け道かなんか無いかな・・・・」
「・・・・・・・おい」
二人「ギャアアアアアアアアアアアア!!!!」
急に後ろから声がし、驚いて目の前にある石を蹴り飛ばした。
「まあ慌てるな」
レイド「誰だよお前・・・・・・」
黒装束に身を包み、見えるのは目だけ。昔で言う「忍者」であろうか。
「って・・・・・お前等カービィ族か!?」
レイド「は!?」
すると考え込み、少し経つと顔を上げた。
「・・・・・・・・お前等、こっちへ来い」
するとレイド達に背を向ける。
レイド「いきなりそう言われてついていくと思うか?」
はぁ、と溜息をつく。
黒装束「お前等、ここから町を抜け出せると思うか?」
「・・・・・・・・・・・・・」
急に静まり返る。
黒装束「安心しろ、お前等を殺りに来たわけではない」
納得できない顔で黒い服を着た人を見た。殺すつもりら既に実行しているはず・・・つじつまの合わない点が幾つも発見される。
レイド「じゃあ何しに来たんだよ・・・」
黒装束の人はレイド達のから振り向き、反対側に歩き出した。
黒装束「お前等を保護しに来た」
そう言ってる間にも少しずつレイド達から離れていく。
行く当てもない二人は仕方なくついていった。
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